利益の源泉は、仕入れだけではありません。資本・理念・信用・ノウハウ・歴史——それらすべてが“元”です。中小企業診断士・認定支援機関として、この考え方を活かした事業計画書・経営改善計画書の策定支援及び実行フーズでの伴走支援を行っています。
目次
1. なぜ今「利は元にあり」なのか?
「利は元にあり」という言葉は、商売の基本原則として知られていますが、単なる“仕入れ”の話ではありません。中小企業の経営改善や事業計画策定において、利益の源泉=“元”を見つめ直すことが、持続可能な成長の鍵となります。
2. 「利は元にあり」の本質とは?
この言葉は、松下幸之助氏の言葉としても知られ、単なる価格交渉ではなく、長期的な信頼関係や価値創造の視点を含んでいます。
「利は元にあり」とは、利益は“元手”や“原資”だけでなく、経営の根本にある価値や資源から生まれるという意味です。
3. “元”は仕入れだけじゃない!5つの視点で整理
以下の図表は、事業の“元”を棚卸しするためのフレームワークです。
資本・資源の「元」
| 資源カテゴリ | 内容 | 金額・数量 | 活用方法 |
| 金銭的資本 | 自己資金、借入金、補助金など | ¥◯◯◯万 | 運転資金、設備投資など |
| 人的資源 | 経営者の経験、従業員のスキル | ◯名、◯年経験 | 商品開発、営業活動など |
| 物的資源 | 設備、土地、店舗など | ◯坪、◯台 | 生産、サービス提供など |
理念・思想の「元」
| 項目 | 内容 | 事業への反映 |
| 経営理念 | 「地域に愛される店づくり」 | 接客方針、商品選定 |
| 社会的使命 | 「高齢者の移動支援」 | サービス設計、価格設定 |
| ブランドの核 | 「地元食材×手作り」 | PR、パッケージデザイン |
信用・関係性の「元」
| 関係先 | 信頼の根拠 | 活用方法 |
| 金融機関 | ◯年間の取引実績 | 融資相談、資金繰り支援 |
| 地域団体 | 商工会、自治体との連携 | イベント参加、補助金情報 |
| 顧客 | リピーター率◯%、口コミ | 新商品開発、販促展開 |
知識・ノウハウの「元」
| 分類 | 内容 | 活用事例 |
| 業界知識 | 観光業の季節変動 | プラン設計、価格戦略 |
| 業務ノウハウ | Excelテンプレート、会計処理 | 業務効率化、分析 |
| 経験知 | 成功・失敗事例 | 改善策、教育資料化 |
時間・歴史の「元」
| 項目 | 内容 | ストーリー活用 |
| 創業背景 | 祖父の代から続く商売 | ブランド紹介、メディア掲載 |
| 地域との歴史 | 地元祭りへの協賛 | 地域密着型PR |
| 事業の変遷 | 業態転換の経緯 | 信頼構築、共感形成 |
4. 「元の棚卸し」が事業計画書を変える
事業計画書や経営改善計画書において、「元」を明確にすることで、金融機関や支援機関に対して「“利の根拠”を示す説得力ある計画書」になります。
- 例:人的資源の強み → 採用・教育戦略に反映
- 例:地域との歴史 → 地域密着型ブランド構築
5. 実践ワークシートで“元”を可視化
個別支援においては、ワークシートを活用します。
6. 支援方法
私の企業支援では、まず、経営者様ご自身で貴社の“元”すなわち“強み”を徹底的に棚卸して頂きます。そして、差別化戦略などに落とし込みます。整理された“元”・“強み”、事業計画書、経営改善計画書に反映することで、ぶれない経営方針を打ち出すことで社内がまとまり、金融機関からの信頼も格段にアップします。
7. まとめ:伴走支援で“元”を磨き、利を生む
「利は元にあり」の考え方を活かすことで、貴社の強みを再発見し、持続可能な利益構造を築くことが可能です。事業計画書や経営改善計画書の策定において、ぜひ“元の棚卸し”を取り入れてみてください。
8. お問い合わせ・支援のご案内
中小企業診断士・認定支援機関として、事業計画書・経営改善計画書の策定支援を行っています。伴走型支援をご希望の方は、以下よりご相談ください。